高脂血症は、いまでこそ、とても有名な病気の1つです。テレビのコマーシャル
などでも啓蒙されたおかげか、皆が気にするようになったのですが、コレステロ
ールが高くても、すぐに何か症状が出るわけではないので、治療は遅れがちで
す。コレステロールには、善玉(HDL-C)と悪玉(LDL-C)があり、悪玉が
高いと、動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞など重大な病気につながります。
さらに、善玉コレステロールが低いことも問題にされます。
最近では、悪玉コレステロールと善玉コレステロールの比を計算し、
LDL-C/HDL-C が1.5以下になるようにすれば、心臓などの病気が減り、動脈
硬化も減ると報告されています。血液検査の結果をみたら、この比を計算して
みて頂くと、自分のコレステロールの数字の良い、悪いがわかります。
ただし・・・
この「LDL-C(悪玉コレステロール)」の検査の仕方について、論議があるよう
です。現在は、LDL-Cは血液検査で直接測定できます。しかし、血液の状態
や、測定の試薬の種類によって、数字にずれが生じるということが一部で言われ
ています。したがって、測定方法の標準化をするように働きかけをしている先生
もおられます。また、総コレステロールと善玉コレステロールの値から、悪玉
コレステロールの値を計算して求めるほうがよいとしている先生もいらっしゃいます。
LDL-Cの値が少しでもずれれば、LDL-C/HDL-Cの値は結構ずれるわけですから、
この点は重要です。コレステロールの検査値の解釈には、ちょっと注意が必要
なようです。
by 井上