今日はSADについての勉強でした。SADとは、social anxiety disorder のことで、日本語では
社交不安障害(少し前までは、社会不安障害といいました)といいます。人前にでると、誰しも
が緊張をするわけですが、一言も話せないくらいにあがってしまいすぎる場合は、社交不安障害
として、治療の対象となることがあります。しかし、「あがり症」がどんなにひどくても、その人が
医者にかかるかというと、なかなかかかることは少ないかもしれません。社交不安障害の症状
があっても、それを治療の対象と考える人はすくないからだと思われます。しかし、あがり症が
ひどすぎる場合は、治療によって楽になることがあるので、御相談いただく事もお考えください。
社交不安障害の問題は、うつ病を合併することが多いことで、今日の勉強会でも説明されていま
した。社交不安障害の約70%にうつ病が併存するといわれており、かなり高い数字だと思われま
す。このように、二つ以上の病気が併存することを comorbidity といいます。つまり、あがり症が
ひどすぎる人は、うつ病の併存 comorbidity に注意が必要ということになります。ちなみに、うつ
病の患者さんの約30%に、社交不安障害の併存があるとのことです。
社交不安障害の治療は薬や心理療法などが考えられます。社交不安障害の薬の代表はSSRI
という種類の薬になりますが、この薬はうつ病の薬でもあります。なんか不思議ですね。
by 井上