血液検査の中にKL-6という検査項目があります。このKL-6をはかる大きな
目的は、間質性肺炎という特殊な肺炎になっていないかをみることです。当然
ながら、多くの医師が、KL-6は間質性肺炎のマーカー(指標)と考えている
と思われますし、それが事実だと思います。
しかし、今回の話では、転移性肺癌の時にもKL-6があがるという話があり
ました。たしかに、そういうこともありそうだな、と思いました。KL-6とともに
よく比較されるのが、SP-Dといわれるものです。KL-6もSP-Dも、肺の上皮
細胞にある物質ですが、実は、細胞の中の局在が違うそうで、KL-6は細胞の
周辺部分、SP-Dは細胞の中の部分にあるそうです。KL-6もSP-Dも間質性
肺炎の指標として使われますが、その他の病気でも数値があがることがあり、
あがりかたの違いもあることがよく論議されます。
間質性肺炎の多くは原因不明ですが、薬の副作用でおきることもあります。間質性
肺炎になる危険がある薬を使っている場合は、定期的にKL-6等をチェックする事
がすすめられます。
ちなみに、SP-A等、他にも関連する物質があります。興味のある方は、調べてみて
下さい。
by 井上