関節リウマチ
関節リウマチの症状
関節に炎症が起きて進行すると関に破壊・変形を生じる病気です。日本人口の約1%に発症し、女性に多く認められます。日常活動に支障をきたすほどになることもあり、早期発見と治療が大切です。関節リウマチの症状には関節の症状と関節以外の症状があります。
①関節症状
起床時に特に手指が1時間以上にわたりこわばりますが、動かしているうちにほぐれるのも特徴的です。手指や手首の関節、膝や肘、肩の関節にも痛みと腫れがほぼ左右対称性に認められます。進行すると手指が小指の方に曲がる関節の変形をきたします。また、頸椎に変形がくると、頭痛やしびれをきたすこともあります。
②関節以外の症状
皮下結節、微熱、全身倦怠感、貧血、胸膜炎・肺線維症、心膜炎、強膜炎、神経障害などをきたすこともあります。 血液検査で、約80%がリウマトイド因子陽性となりますが、早期関節リウマチの場合は陰性のこともあります。 関節リウマチ以外の人でも陽性になることがあるので注意する必要があります。
関節リウマチの原因
関節リウマチの原因は不明ですが、遺伝や感染する病気ではなく、免疫異常が関係しています。体内に外から異物が入ってきた際、それを見分けて攻撃し、体を守るシステムを「免疫」といいますが、「自己免疫」という免疫異常の病気では、このシステムに狂いが生じ、自分自身の体の一部を攻撃します。免疫の司令塔がリンパ球なので、関節リウマチでは自分自身を攻撃するリンパ球が病気を引き起こしていると考えられます。
関節リウマチの治療
治療は関節炎を抑える薬物療法、関節の可動域を保つリハビリテーション、関節機能を再建するための手術療法に大きく分けられます。
薬物療法にはステロイド、非ステロイド系抗炎症薬、抗リウマチ薬が用いられます。診断がついたらより早期に抗リウマチ薬を用いることで関節リウマチの予後が良くなることが分かっています。抗リウマチ薬はいずれも副作用が比較的多く認められるため、定期的に血液検査、尿検査、レントゲン、CTなどにより副作用の有無を確認する必要があります。
メトトレキサートで関節炎がよくならない場合にも有効性が期待できる薬剤として生物学的製剤があります。生物学的製剤には、TNF-αを阻害するものとIL-6を阻害するものがあります。TNF-α阻害薬にはインフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブがあります。IL-6阻害薬にはトシリズマブがあります。インフリキシマブは8週に1回の点滴で、エタネルセプトは週2回の皮下注射で、アダリムマブは2週間に1回の皮下注射で投与します。トシリズマブは4週に1回の点滴で投与します。これらの生物学的製剤は注射時の副作用や、感染症に弱くなるなどの副作用に注意する必要があります。
鍼灸による関節リウマチの治療
関節リウマチは、炎症による慢性の痛みを伴うリウマチ性疾患の一つですが、近年劇的に治療方法が増え、患者様が関節リウマチで寝たきりになる時代はほぼ皆無に近くなりました。
しかし、関節という局所のみの疾患ではなく、全身に影響を与える疾患でもあります。特に関節リウマチを含む慢性疼痛のある患者様には、
睡眠障害(浅眠で熟眠が少なく、覚醒しやすい)
の合併を示唆する論文もあります。睡眠障害により、痛みの増悪も認めたり、不安や抑うつを合併したり、生活習慣が乱れるなどの問題に発展する可能性も危惧されます。
患者様の病態に沿った鍼灸治療を
鍼灸治療が痛みやこわばり、疲労を改善減少させたり、睡眠やQOL(Quality Of Life:生活の質)の改善につながったりとの報告もあります。
ただし、マニュアル化された鍼刺激には効果が無く、 患者様の病態に沿った鍼灸治療に対して安全性と効果が認められるとの報告もあるため、当院では久心康の得意分野である体質学を応用した個々の患者様に適した鍼灸治療を、池袋内科と統合して治療にあたっております。
鍼灸院「久心康」との統合医療
減薬したい、再発したくない、痛みの不安から解放されたいなど、相談したいことがありましたらぜひ当院へお越しいただけると幸いです。